『イナンナの冥界下り』欧州公演
※採択時点での情報です。
- 採択団体・個人名
- 任意団体 てんらい
- 助成区分
- 東京芸術文化創造発信助成
- 助成タイプ
- 長期
平成27年度 東京芸術文化創造発信助成 [長期助成プログラム]

事業概要
【企画概要】 世界最古の神話「イナンナの冥界下り」を、最古の言語シュメール語と最古の演劇・能楽を軸に段階的に創作、上演する。能楽師(安田登、奥津健太郎)、等身大の人形、ダンサー、浪曲の語り(玉川奈々福)、笛(槻宅聡)、竪琴等に加え、音楽、美術には先端表現を取り入れた創作を行い、3年目に欧州公演を実施。毎年都内で小公演を行って創作過程を一般に公開するほか、関連事業として、都内で一般の方を対象に神話やシュメール語の講座を開設。さらに、能楽・歌唱・ダンス・浪曲など神話を舞台化する身体的表現のワークショップなども3年にわたって開講する。また、国内外向けに広範な情報を提供するウェブサイトを作り、海外公演用の字幕も作成する。 【達成目標】 太古の神話を舞台化する過程で日本の伝統芸能が有する特質(儀礼性・祝祭性・神聖性)を演者と観客が共に再発見・感得し、伝統文化の本来的価値を継承する新たな可能性を発信する。またシュメール文明の遺物を多く有する大英博物館(*)とルーブル博物館(*)、印欧語の祖語を残すリトアニアで上演し、洋の東西を越えた文化の深層面の繋がりを提示する。 * 大英博物館は現地との調整でロンドン大学に変更。ルーブル博物館はパリのテロ事件の影響を懸念して中止。 【1年目プロジェクト概要】 『イナンナの冥界下り』の台本の第一案を完成させ、それを元に小公演を行う。その際に音楽作成の依頼をする。また、能楽と浪曲、人形との協演をより洗練させるための公演も行う。地謡、ダンサー、歌手はワークショップで養成する。なお、その成果は随時、ホームページ等で公開する。 (1)「イナンナの冥界下り」東京小公演の実施 ・2015年11月13日(金) セルリアンタワー能楽堂(東京都渋谷区)〔2回〕 ・2016年2月16日(火) 日本デザインセンター「POLYLOGUE」(東京都中央区)〔1回〕 (2)能楽・浪曲・人形公演の実施 ・2015年8月3日(月) 日本デザインセンター「POLYLOGUE」(東京都中央区)〔1回〕 (3)ワークショップの実施 能楽、シュメール語、浪曲、ダンス、声楽についてワークショップを実施。〔各7回〕 【2年目プロジェクト概要】 ・1年目のプロダクション(「古代編」)から台本、演出、キャスト、美術を一新し、新たに「未来編」、及び「古代編新版」として2つのプロダクションを制作、上演する。ただし、能楽、狂言、浪曲の主要メンバーは継続する。 ・来年の公演に向けて、シュメールの竪琴の復元、作成を米国と英国の専門家に依頼する。 (1)「イナンナの冥界下り(「古代編」 2015年初演版)」の上演 ・2016年4月13日(水) 西徳寺(東京都台東区)〔1回〕 (2)「イナンナの冥界下り(「古代編」 2016年新版)」の制作と上演 ・2016年12月27日(火) セルリアンタワー能楽堂(東京都渋谷区)〔1回〕 (3)古典芸能への理解を深めるためのレクチャー&パフォーマンス「伝統芸能の力を思い知る集い」 ・2017年2月21日(火) 東江寺(東京都渋谷区)〔1回〕 (4)創作のためのワークショップの実施(浪曲、狂言、シュメール語)〔各7回〕 (5)欧州公演会場の視察、打ち合わせ、ワークショップの実施 (6)シュメールの竪琴の制作 ※当初2年目に予定していた「イナンナの冥界下り 未来編」の上演は、主要キャスト(客演)の都合により来年度に延期となった。 【3年目プロジェクト概要】 ・「イナンナの冥界下り」の「古代編」「未来編」の新たなプロダクションを制作し、都内の能楽堂で上演する。 ・欧州公演のための台本・演出を完成させ、それをイギリス(ロンドン大学)及びリトアニア(ヴィリニュス大学)にて上演する。 ・欧州の上演用の英語字幕と配布用台本を作成する。 ・当事業のウェブサイトを刷新し、広く情報発信を行う。また、随時英語でも情報を掲載する。 (1)「イナンナの冥界下り」「古代編」(2017年版)と「未来編」の同時上演 ・2017年6月23日(金) セルリアンタワー能楽堂(東京都渋谷区)〔1回〕 *「古代編」 2016年版の改訂、新演出 *「未来編」 湯浅永麻のコンテンポラリー・ダンス、いとうせいこうの朗読を加えた新制作。 (2)欧州公演 ・2018年2月 イギリス、リトアニア 〔計2回〕 *欧州公演新制作版 (3)創作のためのワークショップの実施(浪曲) (4)当事業ウェブサイトの刷新、英訳
- 実施時期
- 実施場所
プロフィール
【安田 登】
能楽師。ワキ方、下掛宝生(しもがかり・ほうしょう)流。「天籟能」主催。能楽の語りの手法と、さまざまなアーティストとの共演による公演も行う。代表作:『間(平城遷都1300年記念グランドフォーラム)』、『水の夢(御茶ノ水WATERRASのこけら落し公演)』、『おくのほそ道幻想』、『イザナギの冥界下り』、『オルフェオの冥界下り』、『結婚(ストラヴィンスキー』など(以上、山のシューレ)。著書多数。