東京現音計画コンサート、アーカイブ
※採択時点での情報です。
- 採択団体・個人名
- 東京現音計画
- 助成区分
- 東京芸術文化創造発信助成
- 助成タイプ
- 長期
平成28年度 東京芸術文化創造発信助成 [長期助成プログラム]



事業概要
21世紀に入って現代音楽の世界では、ますます音楽的な語法を増して多くの作品が生み出されているが、日本に最新の動向が紹介されるにはまだまだ時差がある。一方、20世紀の歴史的な作品のなかには、上演の困難さから日本での上演が実現しないものも多く残されている。さらに、日本の現代音楽作品は、ごく一部の作曲家の作品を除けば、海外にはほとんど紹介されていないのが現状であり、2012年に結成された東京現音計画は、国内外の良質な現代音楽の紹介を通じて、そうした日本の状況に演奏する立場から一石を投じる活動を続けている。 今回のプロジェクトでは、2年間で3種のコンサートを行う。気鋭の批評家/学者に選曲を託す新シリーズ「クリティックズセレクション」(#07)は、音楽学の沼野雄司が『政治と音楽』をテーマに、「社会との関係を検討する中で、あるいは社会とのさまざまな摩擦を経験する中で、音楽という行為の根源を問う作品」を抽出。二つ目はメンバーによる「ミュージシャンズセレクション」(#08)。チューバの橋本晋哉がプログラミングを担当し、零奏(エレクトロニクスによる再生演奏)から五重奏まで、チューバという楽器の可能性を世に問う。3種目はシリーズ「コンポーザーズセレクション」の第4回目、日本を代表する現代作曲家であり、今なお先鋭な活動を続ける近藤譲をプログラム監修に迎え、シリーズのひとつの到達点をめざす(#09)。 また、これまで撮りためた公演映像を編集、アーカイブ化して、上演自体がめずらしい作品の記録を残し、世界からの参照に応えていくとともに、サクソフォン、チューバ、打楽器、ピアノ、エレクトロニクスという世界的にも稀な編成のアンサンブルならではの委嘱作品を世界へ発信する。
【1年目プロジェクト概要】
1)東京現音計画#07~クリティックズセレクション1:沼野雄司 日時:2016年7月14日(木) 会場:北とぴあ つつじホール 曲目: スティーヴ・ライヒ《振り子の音楽》3〜4個のマイク、アンプとスピーカー(1968) パオロ・カスタルディ《エリーザ》ピアノ(1964/67) ハヤ・チェルノヴィン《十字路》アコーディオン、サクソフォン、チューバ(1975)* クリスチャン・ウォルフ《エクササイズ5》アンサンブル(1973-4) ホラチウ・ラドゥレスク《オリジン》打楽器(1997)★ ヨアキム・サンドグレン《押収品》サクソフォン、エレクトロニクス(2011-2012)* スヴェトラーナ・ラヴロヴァ《重力》オーボエ、サクソフォン、エレクトロニクス(2013)★ ルイ・アンドリーセン《ワーカーズ・ユニオン》アンサンブル(1975) *:この編成での世界初演 ★:日本初演 2)東京現音計画#08~ミュージシャンズセレクション3:橋本晋哉 日時:2016年12月19日(月) 会場:杉並公会堂小ホール 曲目: 零奏:有馬純寿《橋本写真店》録音されたチューバのための(2016 初演) 独奏:松平頼暁《シミュレーション》(1974-75) 二重奏:ベッツィ・ジョラス《三つの二重奏》チューバとピアノのための(1983) 三重奏:田中吉史《trio-effort》サクソフォン、チューバ、ピアノ(2016委嘱初演) 四重奏:クリスチャン・ウォルフ《アウト-テイク》アンサンブル(2005) 五重奏:坂東祐大《Jeux II [balls]》(2016委嘱初演) 3)アーカイブ事業 【2年目プロジェクト概要】 1)東京現音計画#09~コンポーザーズセレクション4:近藤譲 日時:2018年1月31日(水) 会場:ミレニアムホール(台東区生涯学習センター) 曲目: ジェイムズ・テニー《サクソニー》サクソフォンとテープディレイシステム(1978) カルロス・サンチェス=グティエレス《Kikai no Mori(「機械から現れた…」第2番)》打楽器、ピアノ(2009) モートン・フェルドマン《持続》第3番 ヴァイオリン、チューバ、ピアノ(1961) 近藤譲《序詩》サクソフォン、チューバ、打楽器、ピアノ(2018委嘱初演) 近藤譲:《灌木》サクソフォン、打楽器、ピアノ(2000) 2)アーカイブ事業
- 実施時期
- 実施場所
プロフィール
現代音楽の第一線で活動する演奏家により2012年に結成。日本初演曲を中心としたプログラム、ユニークな編成の委嘱、若手演奏家/作曲家/スタッフへのワークショップなど演奏家サイドから新たな視点を提案していく。2013年『東京現音計画#01』にてサントリー芸術財団第13回佐治敬三賞受賞。
メンバー:有馬純寿(エレクトロニクス)、大石将紀(サクソフォン)、神田佳子(打楽器)、黒田亜樹(ピアノ)、橋本晋哉(チューバ)